ワシントンでは、トークン化株式とは何かを誰が定義するのかをめぐって、静かだが重大なロビー活動の戦いが進行している。その結果は、今後何年にもわたり、何百万人もの投資家がブロックチェーンベースの株式にどのようにアクセスできるかを左右する可能性がある。ウォール街の主要な株式移転代理人を代表する業界団体であるSecurities Transfer Association(STA、証券移転協会)は、証券取引委員会(SEC)に対し、発行体主導のトークン化証券と、現在この未成熟な市場を支配している第三者トークンモデルとの間に明確な一線を引くよう求める正式な書簡を送付した。
Summary
主なポイント
- STAはSECに対し、第三者またはシンセティックなトークンモデルよりも、発行体主導のトークン化証券に優先的な規制上の取り扱いを与えるよう働きかけている。
- 発行体主導トークンは、公式な株主名簿に記録された実際の会社株式であるのに対し、第三者トークンは経済的なエクスポージャーのみを提供し、追加のカストディおよび信用リスクを伴う可能性がある。
- およそ20億ドル規模のトークン化株式市場は、現在、第三者によるシンセティックモデルが支配しており、米国の個人投資家にはほとんどアクセスできない。
- Direct Registration System(DRS、直接登録制度)は近代化が必要であり、現行の処理速度はブロックチェーンベースの証券移転には適合していない。
- SECはまだトークン化証券に関する正式なルールを公表していないが、イノベーション向けの例外規定を導入すると見込まれている。
証券移転協会は発行体主導トークンを支持
STAの中核となる主張は単純だが、法的には重要だ。すなわち、基礎となる企業によって承認され、その公式株主名簿に記録されたトークンのみが、本物のトークン化株式として扱われるべきだというものである。それ以外のものはすべて、STAの主張によれば、別物であり、投資家にとって潜在的に危険になり得る。
「この区別は根本的なものです」とSTAは書いている。「発行体主導トークンは、会社の実際の株式またはその他の証券です。」書簡はさらに踏み込み、SECによるあらゆるイノベーション例外、パイロットプログラム、不訴追方針、あるいはトークン化証券に関する恒久的な枠組みは、発行体主導モデルのみに適用されるべきだと主張している。
同団体はまた、プラットフォームが上場企業のトークン化株式として商品を販売する前に、発行体の明示的な同意を求めるようSECに要請した。これは、OpenAIを巡る事例のように、同社が自社株に連動したRobinhoodのトークン化商品から公に距離を置き、「当社はその提供を承認しておらず、トークンは実際の持分を表すものではない」と表明したことを受けた、直接的な対応でもある。
業界リーダーは「発行体優先」の立場を支持
S&P500指数採用企業の半数以上の株式移転代理人を務めるComputershareは、この立場への支持を明確に示した。Computershare北米部門の発行体サービス担当CEOであるAnn Bowering氏は、上場企業クライアントが「ラッパー型商品」について具体的な懸念を示していると述べた。これらは「発行体自身の記録、ガバナンス、コミュニケーションチャネルの外側にありながら、あたかも企業株式の所有権のように見える」ものだという。
Computershareのグローバル発行体サービスCEOであるFiona Chalmers氏は、次のように率直に述べた。「規制当局が今下す決定は、発行体とその株主にとって、トークン化株式がどれだけアクセスしやすいものになるかを左右します。」
株式移転代理人EquinitiのCEOであるDan Kramer氏は、さらに踏み込んだ。「発行体によって承認されず、その移転代理人を通じて記録されていないトークンは、トークン化株式ではありません」と同氏は述べた。「それはシンセティックな金融商品であり、投資家をリスクにさらし、発行体には救済手段がありません。」Equinitiは米国と英国の両方で事業を展開している。
競合するトークン化証券モデル
市場には3つの異なるトークン化構造が登場しており、それぞれが投資家に対し、法的保護のレベルや実際の株式所有権への近さが異なる形で提供されている。
発行体主導モデルでは、企業がトークン化株式を直接承認し、公式名簿に記録するため、投資家は従来型株式の保有者と同じ法的権利を得る。カストディモデルでは、規制された仲介機関が原資産の株式を保有し、その所有権持分を表すブロックチェーントークンを発行する。シンセティックモデルは実際の所有権から最も遠く、発行体に対する直接的な法的請求権を伴わずに、株価への経済的エクスポージャーのみを提供する。
実際の20億ドル市場の内訳
およそ20億ドル規模のトークン化株式市場の大半は、現在、Ondo FinanceやKrakenのxStocksが主導する第三者シンセティックモデルに従っている。これらの商品は、米国の個人投資家には一般的に利用できないままだ。
発行体主導モデルにも、すでに確立されたプレーヤーが存在する。FigureとSecuritizeは、いずれも自社株を直接オンチェーンで発行している。Dinariはカストディモデルを運営しており、トークン化株式について米国で初めてブローカーディーラー登録を取得したプラットフォームだ。Ondo Financeも最近、カストディモデルに移行し、認可された移転代理人を利用しつつ、Broadridgeが議決権行使、規制開示、株主コミュニケーションを担当している。
SECは今年1月のスタッフ声明の中で、こうした区別について初期的な指針を示し、第三者トークン化をカストディ型トークン化証券権利とシンセティック商品に分けた。この声明は、どの構造が用いられるかによって投資家の権利が大きく異なることを認めたものの、正式な規制ガイダンスとしての法的拘束力は持たなかった。
STAの枠組みに同意しない声も
DinariのCEOであるGabe Otte氏は、STAの懸念の多くを受け入れつつも、それらは主にシンセティック商品に当てはまり、カストディモデルには当てはまらないと述べる。「発行体主導モデルとカストディモデルはいずれも真の株式所有権を提供しており、最終投資家の利益のために、これらはシンセティックモデルと区別されるべきです」と同氏は語った。
デジタル証券プラットフォームtZEROのCEOであるAlan Konevsky氏も、発行体主導のトークン化が重要な利点を提供すると認めつつ、市場は複数の適合的なアプローチを受け入れる可能性が高いと主張する。「イノベーションは加速しており、市場の成熟に伴い、複数の適合的で、誤解を招かず、経済的かつ技術的に意味のあるモデルが登場すると予想しています。」
トークン化プラットフォームCentrifugeの最高法務責任者であるEli Cohen氏は、STAの動機について率直な見方を示した。「ここでSTAが守ろうとしているのは自らの市場です。移転代理人は発行体から報酬を得ているため、非発行体証券が広く採用されれば、既存の移転代理ビジネスは縮小してしまうでしょう。」Cohen氏はまた、Direct Registration Systemの近代化を求める書簡の呼びかけが、最も重大な要素かもしれないと指摘した。
インフラ面の課題と市場拡大
STAの書簡は、トークン構造の問題を超えて、より深いインフラ上の問題に警鐘を鳴らしている。すなわち、Direct Registration System(DRS)はトークン化市場には遅すぎるという点だ。DTCCのブローカー保有口座と移転代理人の記録との間で株式を移動させる現在のプロセスは、ブロックチェーンベースの決済が要求するスピードとは相容れない摩擦を生んでいる。
その影響範囲の大きさは際立っている。DTCCは昨年、4.7京ドル(quadrillion)の証券取引を処理し、その子会社であるDTCは100兆ドル超の証券についてカストディおよび資産サービスを提供している。STAは、トークン化証券がより広く採用される方向に進む中で、SECがDTCCおよび移転代理人と直接協力し、株式移転の合理化を図るよう求めた。
Cohen氏は、DRSの問題を決定的な要因になり得ると位置づけた。「もしDTCが適応し、近い将来より高速なシステムを開発できなければ、既存の移転代理人システムが現在の市場での地位と役割を維持できる可能性はほとんどありません。」
ウォール街と暗号資産企業は規制に先行して前進
主要機関は、規制の全体像が完全に明らかになるのを待ってはいない。Coinbaseは、米国株のオンチェーン株式を導入する計画を発表した。Robinhoodは、株式トークンの提供を120カ国のユーザーに拡大した。ナスダックはトークン化証券取引の試験運用についてSECの承認を受け、トークン化株式を世界的に配布するパートナーとしてKrakenを起用した。ニューヨーク証券取引所は、トークン化証券インフラの開発でSecuritizeと提携している。DTCC自身も、10月の本格展開に先立ち、7月からトークン化証券プラットフォームのテストを開始する予定だ。
法的見解と規制の見通し
かつてヘッジファンドTwo Sigma Investmentsで約10年間勤務し、現在は法律事務所Womble Bond Dickinsonのパートナーを務めるLouis Froelich氏は、規制当局は第三者株式トークンを、完全に退けるのではなく、異なる金融商品として認識すべきだという、ニュアンスのある見解を示す。
「ある意味では、第三者株式トークンは目新しいものではありません。規制されたオプション、先物、スワップ市場は、長年にわたり、所有権を伴わずに株価へのエクスポージャーを提供してきました」と同氏は述べた。「新しいのは、ブロックチェーンというレールが、効率的でより広範な分配を可能にしている点です。」保有者は議決権や配当、発行体に対する直接的な法的請求権を欠く可能性があるため、Froelich氏は、そのようなトークンは最終的に原株よりもディスカウントされた価格で取引される可能性があると示唆した。
「私は委員会に対し、第三者株式トークンを退けるのではなく、それが何であるか――実際の株式とは明確に区別された、別種の金融商品――として扱うことを勧めます。」
SecuritizeのCEOでありSTAのメンバーでもあるCarlos Domingo氏は、シンセティック構造に対してさらに厳しい評価を下した。「シンセティックトークンは、市場の近代化への近道ではありません。それは、リスクと混乱を増大させる要因です。」
規制の全体像は依然として未解決のままだ。SECはまだトークン化証券に特化した正式なルールを提案しておらず、トークン化証券の促進を目的としたイノベーション例外を導入すると見込まれているものの、そのタイムラインや範囲は明らかにされていない。FairmintのCEO兼共同創業者であり、ネイティブにオンチェーンで運営される初のSEC登録移転代理人であるJoris Delanoue氏が述べたように、「ブロックチェーン自体が真実の源ではありません。真実の源は、発行体が承認した株主名簿です。」
STAのロビー活動は、異例に重要なタイミングで行われている。Citiは、トークン化証券市場が2030年までに5.5兆ドルに達する可能性があると予測している。STAが提起している構造的な問い――最終的に誰がトークンを裏付け、そこにどのような権利が付随するのか――は、個々の商品のローンチや取引所の提携よりも重要になるかもしれない。もしSECが発行体優先の枠組みを支持すれば、シンセティックトークンプラットフォームは米国市場で深刻な逆風に直面する可能性がある。規制当局がより寛容なマルチモデル型アプローチを選択した場合、トークン化株式における投資家の権利をめぐる戦いは、まだ始まったばかりだ。
FAQ
発行体主導トークン化証券と第三者トークン化証券の主な違いは何ですか?
発行体主導トークンは、企業によって承認され、その公式株主名簿に記録された実際の株式であり、保有者は従来の株主と同じ法的権利を得ます。第三者トークンは仲介業者によって発行され、株価への経済的エクスポージャーのみを表す場合があり、直接的な法的所有権やそれに伴う株主権を伴わないことがあります。
なぜ証券移転協会は発行体主導のトークン化証券を好むのですか?
STAは、発行体主導トークンが法的な所有権と完全な株主権を維持する一方で、第三者トークンは発行プラットフォームの信用、カストディ、オペレーショナルリスクに保有者をさらすと主張しています。また、第三者モデルは投資家を混乱させ、基礎となる企業との法的関係を弱める恐れがあると警告しています。
米国市場におけるトークン化証券にはどのようなインフラ面の課題がありますか?
現在のDirect Registration Systemは、ブロックチェーンベースの証券移転を効率的に行うには遅すぎると考えられています。STAは、より広範なトークン化の採用を支えるため、SECがDTCCおよび移転代理人と協力して、この制度を近代化し合理化するよう求めています。
SECはトークン化証券に関する規制を最終決定しましたか?
まだ正式なルールは提案されていません。SECはトークン化証券の促進を目的としたイノベーション例外を導入すると見込まれていますが、その枠組みのタイムラインや範囲は明示されていません。
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本記事は人工知能の支援を受けて作成され、編集部による確認を経ています。

